東京地方裁判所 昭和44年(ワ)13914号・昭43年(ワ)1837号 判決
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〔判決理由〕(四) 消滅時抗の抗弁につき検討する。
本件事故発生日は昭和四〇年七月二七日であり、反訴提起日が昭和四四年一二月二〇日であることは本件記録上明らかである。しかしながら本訴の提起が昭和四三年二月二三日付でなされ、これに対する答弁書(同年四月二三日付、同年五月二三日第二回口頭弁論において)を陳述し、この内容の一部に「却つて被告こそ被害者であり、損害賠償請求を準備中である。」旨記載があつた。
しかも一個の交通事故に基き相互に損害賠償請求権が発生し、その一方のみが他方に対して損害賠償請求したときは民法第五〇九条の適用がなく、相殺の抗弁を認容できると解するのを相当とする。本件においては相殺の抗弁ならば相殺可能である以上、右事実関係の下においては反訴請求も時効消滅によつて消滅していないとするのを相当とする。
従つて消滅時効の抗弁を採用しない。
(竜前三郎)